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不公正解雇としての訴えを回避するための手続きの重要性

 

11 January 2019  

Steven King

 

勤続年数が2年を超える従業員には、不当に解雇されない権利があります。解雇の公正な理由には、能力、品行、余剰人員整理、法令違反、またはその他の実質的な理由(SOSR (some other substantial reason)と呼ばれる)が含まれます。公正な理由が必要なだけでなく、雇用主は公正な手続きに従わなければなりません。たとえば、従業員をパフォーマンス(能力)の不良を原因に解雇しようとしている場合、解雇される前に、その従業員には一連の警告と改善する十分な機会が与えられている必要があります。

 

正しい手続きに従うことの重要性は、最近の雇用上訴審判所(Employment Appeal Tribunal (EAT))におけるTalon Engineering Ltd -v- Smith [2018] の判例でも明らかになっています。労働者は、懲戒ヒアリングの際に、職場の同僚または労働組合の代表者を同伴する法的な権利を持ち、選択した同伴者の都合が悪い場合はヒアリングの代替日を提案することができます。提案された代替日が合理的で、当初の日程から5営業日以内であれば、雇用主はミーティングを延期しなければなりません。この判例では、提案された日が7日後でしたが、雇用主はこれを拒否し、考慮することなく懲戒ヒアリングを進め、その後従業員を解雇しました。雇用上訴審判所は、雇用主が懲戒ヒアリングの延期を拒否したため、その後の解雇は不公正なものとなったと判決を言い渡しました。

 

提案された延期は短いものでした。法定の想定期間よりも2日長いものであったので、雇用主はそのような延期には対応しないものとして、不当に急ぎすぎてしまいました。雇用上訴審判所は、雇用主がヒアリングの延期を拒否したことに正当な理由がないとし、従業員側につきました。この判例で注目すべきことは、従業員は雇用主が正当な理由で解雇したかどうかに異議を唱えているのではなく、その手順だけが不当であったと主張していることです。重要なことは、雇用主はヒアリングの実施を2日間待っていれば、不公正な解雇に対する訴えはなかったであろうということです。

 

この事例が示しているのは手続きの重要性です。雇用主は手に負えない従業員がどのように行動するかを左右することはできませんが、スタッフハンドブックに詳述されているべきである、従うべき手順がACASのガイドラインに準拠するよう積極的に努めることはできます。雇用主は、規律を乱す従業員を懲戒処分し解雇する権利を十分に持っているかもしれませんが、正しい手順に従わなければ、依然として従業員の訴えは成功する可能性があります。さらに、上記の判例から明らかなように、所定の手続きに従わなかった場合、解雇全体が不公正とされる可能性があります。

 

また、企業は勤続年数にかかわらず、全従業員を解雇するときに良い慣行に従うことの利点を理解するべきです。従業員は勤続年数が2年を超えて初めて不公正解雇から保護される一方で、差別からは雇用初日から保護されます。したがって、解雇の理由を説明することなく従業員を解雇したことによって、彼らは差別されたかもしれないと考え、申し立てを促すことになるかもしれません。たとえこの主張が実質的でないとしても、企業は自社を守るために時間とリソースを費やす必要があります。したがって、退職者が不公正解雇に対する権利を持っていなくても、解雇される理由を説明するのは企業にとって有益です。これは、不公正解雇から保護されている従業員の場合と同様にすべての手続きを踏むことを意味するのではなく、解雇前に簡単な面談をおこなうことで差別の訴えのリスクを軽減できる可能性があります。個人が不公正解雇から保護されていないという理由だけで、自分の望むとおりに行動できるという前提に基づいて雇用主が手続きを行うことは、訴訟の脅威を不必要に増大させる可能性があります。

 

解雇手続についてアドバイスが必要な場合は、当社の雇用法チームにお問い合わせください。
 

 

 

 

 

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