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雇用契約終了後の制約:適切なバランスをとる必要性

17 May 2019  

Steven King

雇用契約終了後の制約(Post-termination restrictions、以後、PTRとします。 )は、雇用関係終了後に従業員が会社に対して競争する事を制限するために使用されます。PTRが法的に有効となるためには、ビジネス上の正当な利益を保護する試みが必要です。例えば、もし技能を有する労働者を雇っているのなら、競合会社に引抜かれたり又は転職されたりするのを防ぐためであれば正当性があります。但し、会社が社員を制約することができる水準は、何が合理的かによって変わってきますし、全員を制約することは合理的でないとされる可能性が高くなります。

代表取締役は企業秘密や高度な機密情報に通じていて、顧客やサプライヤーに直接的に関係していることでしょう。このような従業員が辞職して直ぐに競合会社に就職し、全ての知識を持って行かれる事を会社が避けようとする事には、正当な利益を保護する試みがある可能性が高いでしょう。しかし、顧客との関連または機密情報を持たない技能の低い工場労働者が競合会社に転職しようとするのを阻止する場合には正当性は無いでしょう。

正当な利益を特定した後は、従業員に課す制約の合理性を検討する必要があります。多くの雇用主は、会社が活動している範囲に競争を限定することで十分とし、その他で従業員が働く事については自由にさせることでしょう。逆に、全国的または世界的な制約を課す会社、特に会社が地域的に限定させている場合、合理的でないとみなされる可能性が高いでしょう。したがって、雇用主は制約の法的強制力を失わせないために、域的制約があまり広すぎないようにしておく必要があります。

従業員が限られた期間しか制約されない場合、PTRは合理的であるとみなされる可能性が高くなります。但し、制約の適用期間を決めることは一般条項に記載することはできず、これは各ケースの状況によって異なります。したがって、より階層が低い従業員が3か月間の制約、マネージャーが6か月間、代表取締役が12か月間とすることが常に合理的であると断言することはできません。それよりも、従業員とその退職がビジネスにどのように影響するかを検討する必要があります。例えば、一定の若手従業員を制約する事は全く合理的でないとされる可能性があります。しかしながら、テクノロジー系の会社では低階層のプログラマーが会社の技術的アルゴリズムについて実際には豊富な知識を持っているかもしれず、もしそれが競合会社によって複製されれば会社に損害を与えるかもしれません。また、人材派遣会社においては、人脈とコンタクトを作る事で収益化している業界なので、若手の人材採用担当者に対しクライアントとの取引や勧誘について非常に広範囲な制約を課しているかもしれません。従って、工場で働く同様な階層の従業員にそのような制限を課すことは考えられませんが、ビジネスを保護するためにこれらを保護する必要があります。

雇用主はPTRを意識して会社の利益になるのであればこれを使用すべきです。ただ、一般的に全ての従業員の制約を試みているものは、その制約の大半は法的拘束力のないものであることがほとんどでしょう。裁判所は程度の低い制約によって会社の利益を保護する事ができるかどうかを検証します。もし3か月の制約が十分であるような場合に契約で6か月の制約を定めていれば、その制約は非合理的で法的拘束力の無いものとみなされます。さらに、裁判所は6か月の制約を3か月の制約に置き換えることはしません。その代りに、条項の全てを無効としてきます。したがって、雇用主は会社を守るために、負担が過度になりすぎず、適切なレベルの制約を設ける必要があります。

会社が雇用をオファーする際には、従業員にPTRを課すことを考慮すべきですが、画一的なやり方で行うことは避けるべきです。新しいオファーを出すたびに、雇用契約終了後に制約を課す事が会社を保護するかどうか、そしてもしそうするなら、どのレベルの制約が合理的であるかを決定するために個別に評価する必要があります。

雇用終了後の制約についてアドバイスをご希望の方は、弊所の雇用法チームにご連絡ください。

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