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雇用契約書:差別事例における秘密保持条項と秘密保持契約

15 November 2019

Richard Hull

広く展開された#MeTooキャンペーンに続き、秘密保持条項 (confidentiality provisions) および秘密保持契約 (non-disclosure agreements (NDA)) の形態による「口封じ条項」(gagging clauses) の調査が始まりました。 キャンペーンから2年後の10月に、平等人権委員会(Equality and Human Rights Commission (EHRC))は、差別事例におけるNDAの使用に関する新しいガイダンスを発表しました。


このガイダンスは、雇用主と従業員の両方に向けて、NDAに関する法律と、それをいつどのように使用できるかを明確にしたものです。 このガイダンスの目的は、従業員がセクシャルハラスメント(およびその他の形態の差別)について率直に発言し、明るみに出す事ができるよう文化的変化を促進することにあります。


もちろん、秘密情報を保護したり、または、個人が受けた差別について秘密のままにしたい場合に、NDAが必要かつ正当な手段である場合もあります。 しかし、#MeTooキャンペーンで強調されたように、NDAが深刻な差別事案を隠蔽するために使用されてきており、問題となっている事もEHRCは認識しています。
ガイダンスに含まれている特筆に価する推奨事項は以下のとおりです:
•    雇用契約の一部として秘密保持契約に署名するよう従業員に要求しない事。署名してしまうと、従業員は将来雇用主に対する差別の訴えを起こせなくなります。
•    入社後の研修時に、どのように差別を報告するかと、会社がその報告に真摯に対応することを明確に伝えておく事。
•    和解契約書を起草する際、秘密保持条項が必要か否かについて個別に検討する事。 考慮すべき事項としては、秘密保持契約の理由と利点、ならびに個人と会社文化への影響があります。 現在の慣行では秘密保持条項を標準として含めているため、ガイダンスでは雇用主のアプローチの変更を要求しています。
•    秘密保持規定を含めることが決められている場合には、その理由を個人に説明し、個人がそれについてアドバイスを受け、それが合理的か否かについて考慮できるようにする事。
•    被害者が差別された経験に関する秘密性を要求していないのに、職場で起こった差別的事件について従業員が議論するのを防ぐ目的等のためにNDAを使用しない事。
•    雇用主は、何が秘密情報とされるのかについて、具体的に秘密保持契約書に明記する事。
•    従業員による内部告発を防ぐためにNDAを使用しない事。ガイダンスでは、従業員が警察に報告するのを防止するために会社がNDAを使用できない事を明らかにしています - これは犯罪行為に該当する可能性があります。
•    和解契約に関しては、従業員が法的アドバイスを受ける合理的な費用を雇用主が負担する事。これは、今までと異なり、和解合意に至らなかった場合でもそうする必要があります。
•    提案されたNDAを検討するため、従業員に合理的な期間(例外的状況を除き、10日以上の必要あり)を与え、NDAのコピーを渡す事。
•    差別事例に関与していない、または、関連する苦情申立の検討に関与していない取締役または適切な上級管理職がNDAに署名する事。
•    状況において可能かつ合理的である場合、たとえ訴えが解決する場合でも、雇用主は差別事例を調査し対処する事。これには、将来発生するのを防ぐための合理的な措置を講じることが含まれます。措置を講じなかった場合、もしその後に同様の事件が発生し、その際に雇用主が差別を防ぐための合理的措置を講じたとして「法定の防御」によって責任回避しようとするならば、雇用主に不利に働くことがあります。
•    雇用主は、NDAの使用を監視する事。 データ保護規則を遵守し、大規模会社の雇用主は、訴えの種類の詳細、差別した疑いがかかる人物、どのような秘密保持が合意されのか、秘密保持が適用された理由などについて、記録を保持する必要があります。
•    管理者は、職場文化、組織的差別、または繰返される差別や「非常に深刻な」差別行為に関する懸念を上位レベルの処理事項として発展させる事。
前述のように、このEHRCガイダンスには法的拘束力はありませんが、雇用主は、社内慣行と将来の評判低下や法的問題を回避するためにEHRC勧告を採用するかどうか検討すべきです。


ご質問がある場合は、3HRの雇用法チームまでお問い合わせください。

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